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ULTLA PROJECT 2019

date  |  データ

Project name : New Villagescape

​Completion : 2020

Program : Exhibition

​Design team : dot architects

        Kyoto University of the Arts

        SFC Matsukawa lab

​Venue : Tokyo Metropolitan Art Museum

タイトル : 生きる建築

​日  時 : 2020

内  容 : 展覧会

​チ ー ム  : ドット アーキテクツ

     京都芸術大学

     SFC 松川昌平研究室

​場  所 : 東京都美術館

概  要

蛇口をひねれば水が飲めるし、トイレのレバーを下げれば汚水は流れていきます。amazonで注文した商品は翌日に手元に届いて、ゴミ置場に出したゴミはいつの間にか回収されています。建築はそのような様々な流れが通り抜ける器です。しかし我々は普段、建築への入力以前と入力以後の流れをあまり意識することはありません。建築は植物由来の土や石や金属などでできています。そのような器としての建築もまた、永い時間でみれば自然の物質循環の流れの中にあります。しかし、我々の時間感覚では木や土が循環する流れを容易にイメージすることはできません。

一方で我々は、昨今の地震や異常気象による災害によって、当たり前のように享受してきたインフラが寸断してしまう経験を何度もしてきました。知識としては知っているけれど見えにくくなってしまった不可視のインフラ。不可視のインフラの流れを可視化することで、今一度、建築に何が可能かを模索したい。我々の問題意識はそこにありました。

そこで、このプロジェクトの大枠のテーマであるオルタナティブな「New Villagescape」を構想するにあたって、我々はまず、建築に入力される前や建築から出力された後のインフラに着目し、物質やエネルギーの流れをリサーチすることにしました。全体を大きく3つのフェーズに分け、第1フェーズでは、工業化によって中央集権的に整備されたソーシャルなインフラについてリサーチを行いました。第2フェーズでは、近代化以前の井戸小屋や水車小屋のようにインフラと建築が未分化な事例や、あるいは、情報化によってマクロな発電機をブリコラージュしているような事例に着目し、そのようなインフラを「パーソナル・インフラ」と呼びリサーチを行いました。そして第3フェーズでは、「パーソナル・インフラ」を情報環境上でネットワークすることを試みます。

建築を構成する物質も、建築に作用する物質も、すべては流れの中にあるのであれば、我々ができることは、建築を取り巻く流れを知り、その流れ方を少し変えることだけです。

福岡伸一がいうように「流れ自体が「生きている」ということ」であるならば、このプロジェクトは、自然−人工環境だけではなく人間がつくる社会環境そして情報環境までをも含めた総合的な流れをリサーチし、その流れ方を具体的にデザインすることを通して、「生きる建築」を模索していくことになるでしょう。

 

​プロジェクト概要より

© 2020 MASAHIKO ARAI ARCHITECTS STUDIO

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